化学反応式
物が燃えたり、沈殿物が生じたりするような化学反応を化学式を使って表した式を化学反応式といいます。 化学反応式はいくつかの規則に基づいて書かれています。
反応物を左辺に、生成物を右辺に書く。変化の向きを表す矢印を書く。
左辺と右辺で、原子の種類と数が同じになるように、最も簡単な整数で化学式に係数をつける。
触媒や溶媒などのように変化しない物質は、化学反応式中に書かない。
では、実際に化学反応式を書いてみよう。
H
2
(水素)とO
2
(酸素)が化合してH
2
Oが生成する反応を化学反応式を使って表してみよう。
まず反応物を左辺に、生成物を右辺に書く。
H
2
+O
2
→H
2
O
まずは
基準とする分子などを決めよう。
ここではH
2
を基準とする。H
2
なので水素原子の数は2個。 そうすると水分子の中の水素原子の数も2個なので、H
2
とH
2
Oの係数は同じとなる。 今のところは係数を両方の係数を1にしておく。
次に酸素原子の数を比べてみよう。O
2
だから酸素原子の数は2個。でも、H
2
Oの中には酸素原子が 1個なので、O
2
の係数はH
2
Oの係数の半分となる。ここでH
2
Oの係数は1だからO
2
の係数は1/2となる。
H
2
+
1
2
O
2
→
H
2
O
これで右辺と左辺の原子の種類と数は同じになったが、
化学式の係数は最も簡単な整数
なので両辺に2をかけて係数をそろえる。
2H
2
+O
2
→2H
2
O
これで化学反応式は完成!!ちなみにこの化学反応式はこのように読みます。にエイチ、プラス、オーに、は、にエイチにオー。 つまり→は「は」と読むのですね。
また規則3で書かれているように反応の前後で変化しない触媒や溶媒は化学反応式中には書きません。
例えば、H
2
O
2
(過酸化水素)水溶液にMnO
2
(酸化マンガン)を加えると、水と酸素を生じます。この時、溶媒はH
2
O(水)、触媒は MnO
2
(酸化マンガン)です。下の式(1)を見てください。溶媒であるH
2
Oと触媒であるMnO
2
は変化していないことがわかると思います。変化していないのだからこれらは書く必要がないのです。だからこの反応の正しい化学反応式は下の式(2)ということになります。
(1)2H
2
O
2
+H
2
O+MnO
2
→3H
2
O+O
2
+MnO
2
(2)2H
2
O
2
→2H
2
O+O
2
また、イオンの反応に着目したイオン反応式というものもあります。
例えば、水溶液中でBa(OH)
2
(水酸化バリウム)とH
2
SO
4
(硫酸)が反応するとBaSO
4
(硫酸バリウム)の沈殿を生じます。 この反応は下の式のように表されます。
Ba(OH)
2
+H
2
SO
4
→BaSO
4
+2H
2
O
この場合、沈殿の生成に注目すると下のようにイオンを使って表すこともできます。このような式をイオン反応式といいます。
Ba
2+
+SO
4
2-
→BaSO
4