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3.4 勉強することを受け入れる

これまで見てきたように勉強をするためにも楽しむためにも、まずは勉強に対する心構えが必要だと分かります。 まずは勉強そのものをする前に、勉強はするものである、ということを受け入れることから全ては始まります。 それではどうすれば勉強はするものだと受け入れることができるのでしょうか。 これは心に関わる問題なので人それぞれ受け入れる方法は異なると思いますが、一例を書きます。 これから書くことは普遍的な答えではないかもしれませんが、参考にしてください。

勉強というと読んで字の如く、強いて(しいて)勉める(つとめる)というように 強制的な印象を受けてしまいます。また、どうすれば勉強すれば良いかと学校の先生にでも聞けば、 努力しなさいといいます。努力という言葉自体に、嫌いなことを嫌々するという意味はありませんが、 勉強と努力が結びつくと、努力するという言葉の中にも、嫌々苦しみながらするものというイメージを 持ってしまいます。この節では努力にも嫌々するというイメージがあるという前提に話を進めます。

勉強をするときこの苦しい努力は必要でしょうか。このような努力は少なくとも普段の勉強で する必要はありません。嫌なことを持続的にできるわけがないからです。 持続的にできる行動ついては後ほど詳しく述べますが、 スポーツや自分の趣味などのように長く続けられるものは一見すると苦しいときもあるかもしれませんが、 どこかに楽しみや達成感が必ずあります。 楽しみも達成感、目標も無く、苦しいことをやり続けることは人間には不可能です。 嫌々する努力は持続的にできるものではありません。

できることなら努力したくない、つまり嫌々、苦しみながら勉強したくない。 けれども勉強ができるようにならなければならない。 この相反するように見える二つを同時に満たすために残された道は、勉強を嫌いにならないということしかありません。 嫌いでないなら苦しみも喜びに変わる可能性があり、嫌々することもありません。 だから持続的に勉強でき、結果的に勉強ができるようになります。

一番良いのは勉強を好きになることです。勉強が好きであれば心底、嫌がりながら勉強することは一切なくなります。 そして勉強を好きになってしまえば、勉強が嫌いな人から見れば努力しているように見えても、 勉強好きの本人からすれば、それはもう努力ではなくなっているのです。

そもそも勉強が好きになる(嫌いにならない)というのが難しいと思うかもしれませんが、そこまで難しいことではありません。 少なくとも勉強が嫌いにならない上で重要なのは、勉強を拒絶しないことです。 これは何も勉強だけに限ったことではありません。食べ物でも対人関係でもその他のことでも同じ事です。 人間には環境に適応する能力があります。だから拒絶しない限りはそれに慣れて、 そして好きになる可能性があります。

例えば誰でも今まで嫌いだったものが、何回も食べている内にいつの間にか食べられるように なったという経験があるはずです。 このような経験が無い人は、嫌いなものを食べられるようになるのをお勧めします。 嫌いなものでも、我慢して食べるのではなく、おいしいはずだと思いながら一週間ぐらい食べ続ければ だんだん慣れてきます。大切なのは、拒絶せず受け入れ、慣れることです。

拒絶しないということは難しいと感じるかもしれませんが、よく考えてみましょう。 拒絶しないということは嫌なことが無くなるということです。拒絶し続ける人生と、拒絶しない人生は どちらが楽でしょうか。色々なものを嫌うには精神力が必要です。その無駄な力がいらなくなるだけでも 気楽に生活できるでしょう。もちろん絶対受け入れてはいけないものもありますが、 自分にとって都合が良く、受け入れた方が得なものは受け入れてしまった方が楽なのは間違いありません。

このように考え、勉強を受け入ることは一見すると大変かもしれませんが、 結果的に嫌なことがなくなるので一番楽な方法と言えます。 これからも勉強ができるようになる方法を考えていく上で勉強を受け入れることが前提となります。 まずは勉強を拒絶しない。これが大切です。

これまで楽な方法を選ぶ、好きなことをするというようなことを言ってきました。 こういうと好きなことしかできない駄目な人間になるのではないかと心配する人もいるでしょうが、 何事も拒絶せずに受け入れるということは、理論上、何でもする、何でもできるということと等しいです。 とにかく根本的な思想として嫌なことはしない。だからしなければいけないことは好きになる、ということです。 決して楽な道を選んでいるわけでも、好き嫌いをして好きな方だけを選択しているのでもありません。 しなければいけないことを好きになっているだけです。

もっともこれはあくまで一つの考え方なので、他の考え方で、 「苦しみながら勉強したくない。けれども勉強ができるようにならなければならない。」が解決できれば 何の問題もありません。 もし勉強を嫌うことで、勉強ができるようになるのならば勉強を嫌っても構いません。 嫌いだから早く終わらせる、早く終わらせるために工夫する、ということができれば苦しみは最低限で、 勉強ができるようになるという目標が達成できるからです。 もちろんどのように考えるかは個人の性格にも関わることなので、普遍的な答えは ありません。自分がどういう人間であるかを見つめ、自分にあった考え方を見つけてあげて下さい。


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