結晶の種類
   結晶とは、固体の時、構成粒子が規則正しく配列している物をいいます。 結晶にはその構成粒子間に働く力によって結晶の種類が分けられています。
   また、結晶内の粒子の配列を示したものを結晶格子といい、その最小単位の格子を 単位格子といいます。そして、結晶内の一つの原子に隣接している粒子の数を配位数 といいます。
イオン結晶
   塩化ナトリウム(NaCl)のように陽イオンと陰イオンを構成粒子とするものをイオン結晶と言います。
共有結晶
   共有結晶は、構成粒子がすべて共有結合で結ばれています。その代表的な物がダイヤモンドです。 共有結晶はダイヤモンドの他に、炭化ケイ素(SiC)や二酸化ケイ素(SiO2)等があります。 共有結合は結合のなかでも強い結合なので、原子同士が結び付く力が強くなかなか離れません。 だから共有結晶にはかたく、融点が高い物が多い。また、共有結合しているので電気を通しにくい。
金属の結晶
   金属原子の陽イオンが金属結合によって規則正しく配列した結晶を金属結晶といいます。 金属結晶の主な単位格子には面心立方格子、体心立方格子、六方最密構造があります。 この中で面心立方格子と六方最密構造は可能な限り陽イオンを密に配列した構造です。 体心立方格子は、この2つの格子よりすき間が多い構造になっています。
分子結晶
   この結晶は分子が規則正しく配列してできた結晶です。主なもの二酸化炭素(CO2)やヨウ素(I2)、 ナフタレン(C10H8) があります。また、希ガスや塩素(Cl2)等は常温では気体だが、 温度を下げ低温にすると分子結晶になる。これは温度が下がると分子のもつ運動エネルギーが小さくなり、ついには分子間力の方が 分子の運動エネルギーより強くなってしまうために起こるものです。
また一般にドライアイスといわれているものは、二酸化炭素が多数集まってできた分子結晶です。
また分子結晶の中には、分子間に水素結合が形成されているものもあります。水は水素結合があるため各分子の結びつきが強く 他の分子結晶よりも沸点が高いことがわかると思います。
一般的に結合の強さは
共有結合>イオン結合>金属結合≫水素結合>分子間力
結晶の種類 結合の種類 物質の例 融点(℃) 電気伝導 水への溶解性
イオン結晶 イオン結合 塩化ナトリウム(NaCl)

ヨウ化カリウム(KI)

801
(かなり高い)
680
良くない 溶ける

溶ける

共有結晶 共有結合 ダイヤモンド(C)

二酸化ケイ素(SiO2)

3550
(非常に高い)
1550
良くない 溶けない

溶けない

金属結晶 金属結合 アルミニウム(Al)

鉄(Fe)

660
(低い〜高い)
1535
良い 溶けない

溶けない

分子結晶 分子間力 メタン(CH4)

窒素(N2)

−183
(非常に低い)
−210
良くない 溶けにくい

溶けにくい

分子結晶 分子間力+水素結合 アンモニア(NH3)

水(H2O)

−78
(かなり低い)
良くない 溶ける

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金属の結晶格子
結晶とは構成粒子が規則正しく配列したものです。金属の陽イオンが金属結合により規則正しく配列したものを金属結晶といいます。金属によりイオンの配列に違いがあります。その配列の最小単位結晶格子といいます。結晶格子には下図にあるように面心立方格子体心立方格子六方最密構造とあります。上段の画像中の黄色い棒は青粒子と赤粒子の間で結合しいること示しています。下段の画像では接している粒子同士が結合しています。上段の画像は格子内の位置関係を表しています。下段の画像は単位格子そのものを表し、画像中の粒子の個数が、その格子内に含まれる粒子の数を表しています。またそれぞれの結晶中の構成粒子が隣り合う粒子数を配位数といいます。
面心立方格子
配位数:12
1
8
x 8 + 1
2
x 6 = 4(個)
体心立方格子
配位数:8
1
8
x 8 + 1 = 2(個)
六方最密構造
配位数:12
1
12
x 4 + 1
6
x 4 + 1 = 2(個)

面心立方格子
名前の通り、立方体の面の中心に構成粒子が位置している。この状態は最も密に粒子が配列した構造である。配位数は12、格子中に含まれる粒子数は4個である。このように考えるとわかりやすい。
体心立方格子
名前の通り、立方体の中心に構成粒子が位置している。この状態は面心立方や六方最密よりいくらか隙間が多い構造である。配位数は8、構成粒子は2個。このように考えるとわかりやすい。
六方最密構造
工事中