勉強は知識を獲得するもので、テストで点を取るためのものという印象が強い人も多いかもしれませんが、 勉強を通して身に付けることができる大切な能力があります。それは問題を解決する能力です。 前節では勉強を思想的、知識的、技術的という3つに分けましたが、問題を解決する能力というのはこのどの側面にも 関連があります。また、数学や理科などの問題集にあるような問題だけでなく、人生の中で遭遇する様々な困難を解決 ための力でもあります。このような問題を解決する能力を身に付けることが勉強の大きな目標の一つです。
まず問題解決能力とは何かを説明します。問題を解決するためには一定の手順があり、 それを図2に示します。
図2にも示していますが問題解決のための手順は次のようになります。
まず目標を決め、それが達成されるまで2〜4の手順を繰り返します。
この手順をどれだけ上手く行えるかというのが問題解決能力です。 この能力は答えが分からない問題を扱う時に重要となります。 つまり答えが分からない以上、「確からしい答え」がでるまで試行錯誤を繰り返す必要があります。 そしてその答えが確からしいかどうか自分で判定できるようにならなければいけません。
普段の勉強でもこの力は大切です。基本的に問題は全て答えが分からないし、解き方が 分からないものさえあるかもしれません。だからこの手順に従って解いていくしかないのです。 解き方が分からないから解けませんというのでは駄目だと言うことです。
基本的に学校で出題されるものは解き方と答えが存在します。しかし一旦学校の外に出れば、そこには 解き方も分からない、答えも分からないような問題が存在し、そのような問題を扱える必要があります。 本書で考えている、どうやったら勉強ができるようになるのか、というのも答えの分からない問題の一例です。 それでは例題を挙げて、図2に示した問題を解決する手順が大切な事をみていきます。