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5.3 結果が返ってくる時間

そしてもう一つ行動を続ける上で重要な要素があります。それはある行動を起こして、その結果が返って 来るまでの時間です。簡単な例を一つ出せば、人を助けたのに、その時ではなく一年後にお礼を言われても 嬉しくないでしょう。やはり自分の行動の結果が何らかの形ですぐに返ってくることが必要です。

このような結果がすぐに返ってくることは意外に身の回りに溢れていると考えられます。 自転車に乗れない人はほとんどいないと思いますが、自転車の練習は結果がすぐに返ってくる典型例です。 練習すれば目に見えて上達するし、結果もすぐ分かります。だからほとんどの人が自転車に乗れるようになるまで練習が続きます。またスポーツやゲームも時々刻々と状況が変わり、自分の起こした行動に対する結果は すぐに返ってきます。だから面白く、何回もすることができ、結果的に長期間続けることになります。

勉強をする場合でもすぐになんらかの結果が返ってくることが必要です。 勉強で結果と言えば、テストや学期末の成績ですが、テストの結果が分かるまでには通常は 1週間程度かかるので勉強に対する動機にはなりにくいです。ただし勉強がある程度分かるようになると テストを受ければ何点が取れるか予想ができるようになります。そのレベルに達した人であればテストが返却される 前に結果が分かっているようなものなので勉強の動機付けになりえます。しかしそれにしてもテストの頻度が低いので効果は限定的なものになるでしょう。

それでは勉強は結果が返って来るのが遅い、つまらないものなのでしょうか。 決してそうではありません。これは対処可能な問題です。 例えば解決法の一つは疑問を持つことです。疑問を持つとは、いつも「なぜ?」と問いかけることです。 「なぜそうなるのか」と疑問を持って勉強し、それを解決できればすぐに結果が返って来たことになります。 今まで知らなかったことを知る、この喜びに気付けばどんどん疑問を解決したくなり、 その結果として勉強を続けることになります。 このように何かに対して疑問を持つことはすぐに結果を得ることに必要です。 この疑問がなければ、勉強をしてもすぐに得るものはなく長続きしません。

このように勉強をしたら結果がすぐに分かるという状況に持って行く必要があります。 パズルが解けたら嬉しいように、問題が解けたらそれが嬉しいというのもすぐに結果を感じられる良い方法です。 また、英語のリスニングや数学の計算問題のように自分の上達具合が明らかに分かるものもスポーツやゲーム的で 長続きさせやすいです。


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