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7.1 身近な国語

まずは国語を例にとって、学校の勉強をしないでなぜテストの点数が上がるのかを考えます。 学校の勉強と普段の生活を通した勉強はそもそも何が違うのでしょうか。

図 6: 学校の勉強と普段の生活における勉強の違い
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6に学校の勉強と、生活を通した勉強の違いのイメージを示しています。 今回は国語を例に挙げているので図中の「ごーる!」は国語のテストの点を上げることです。 そして学校の勉強は目的に向かって真っ直ぐに行くイメージです。 学校の授業という限られた時間内に決められた内容をこなす必要があるので寄り道している暇は あまりありません。 それに対して生活を通した勉強は一応勉強ができるようになるという目的に向かいつつ、 日常の様々な体験を通してその中から必要なことを学ぶイメージです。

普段の生活を通した勉強についてもう少し具体的に例を挙げると 新聞を読んだり、旅行に行ったり、好きな本を読むです。 これらのことはテストの点を上げるためにやるのではありませんが勉強に関係します。

新聞を読むためには漢字が読める必要があり、社説や読者投稿の欄を読むためには 相手の主張を理解できることが必要です。 漢字や文章の意味を理解することは学校の国語の勉強でも当然、求められます。 つまり普段の生活で新聞を読むことは、国語の勉強をしているようなものです。

また旅行にいくというのも国語に関係あります。文学的な史跡などを巡るのも役に立つと言えるでしょうし、 きれいな景色や壮大な景色、自分の知らないものを見て感動する「心」がまさに文学に関係しています。 旅行に限りませんが、スポーツを見たり、趣味をしたり、恋をしたり、部活で何か大会に出たりするような 感情に大きな変化をもたらすことを多く経験することで国語が扱う「人の心」を知ることができます。

そして小説を始めとした多くの書物を読むことは国語の力に直結することは容易に想像できます。 普段からたくさんの本を読むことは漢字の勉強にもなり、様々な考え方に触れる機会になります。 他人がどのように考えているのか、いわゆる常識を学ぶことができます。 常識は国語に必要な知識です。常識があれば、文章の読解も比較的スムーズに進むようになります。 また様々な本を読み慣れておくというのも大切な要素です。

このように普段の生活を通して国語に関わる能力を上げることができます。 学校だけが勉強する場所ではなく、日常生活にも国語と触れる機会は数多く存在しています。 しかし意識的に生活しないと本を読んだり、新聞を読んだりということはしないかもしれません。 そのためどういう生活を送ろうか自分で考えることが必要です。

これまで日常生活は学校の勉強と密接に関わっていることを見てきましたが、日常生活を通した勉強は 良いことばかりではありません。図6を見ると学校の勉強の方が道のりも短くて良さそうです。 それに対して生活を通した勉強は遠回りで悪そうな印象を受けます。 この印象は半分正しく、半分間違っています。勉強は急な坂道を短時間で走り抜けるようなものです。 短時間で成果を上げられますが、それだけ集中力が要求されます。 つまりやる気があり集中して勉強できれば、短時間で成果を挙げられるということです。 それに対して日常生活を通した勉強はやはり長い時間がかかってしまいます。 どちらが良いかは人の性格や目標によります。どちらの道を、またこれ以外の道を選ぶかどうかを 自分で判断する必要があります。


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