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10.2 先取り学習

前節では記憶量を減らすためには何を覚えて、何は覚える必要がないのかをよく考えることが必要だと述べました。 何を覚えるべきかを常に考えます。新しく学習した内容を覚えるべきなのか、それとも他の知識から導き出せるのか を常に考えれば、記憶量を減らすことはできます。 ここで重要なのが基本的な知識が何かを見抜くことです。 前節の例で言えば、多角形は三角形に分割できるという知識と三角形の面積を求める知識です。

何かを新しく勉強するとき、その基本となる知識を覚えれば記憶量を減らすことができますが、 常にその基本となる知識を知っているとは限りません。学校では結果のみを教えて、その過程は教えないということは 良くあるので、基本となる知識を学校で教えてもらっていないことがよくあります。 そういう場合は基本となる知識を自分で学習する必要があります。

例えば、理科で気体の性質を学習します。二酸化炭素は空気よりも重くて、水に溶けて酸性を示す。 アンモニアは空気より軽くて、水に溶けてアルカリ性を示す。酸素は空気より重くて水にほとんど溶けない。 これらのことは中学校までに習う知識では、なぜそうなるのか説明することはできません。 なぜ二酸化炭素は空気より重いのか、なぜ水に溶けるのか。学校では結果だけしか教えてもらえないので、当然覚える 以外に方法はありません。おまけになぜこれらのことを覚えなければいけないのか分からないので面白くありません。

しかし自分でこれらの「なぜそうなるのか」について調べ、基本となる知識を学ぶことができれば、上記の気体の 性質は覚えるまでもなく、そのつど考えれば当然と思えます。具体的には高校の化学という科目を 勉強すれば上記のことは説明できます。

このように、何か考えるためには基本的な知識が重要となりますが、 それを学習していない場合は自分で探す必要があります。それは中学生であれば、高校生の学習内容を勉強すること になるかもしれませんし、高校生であれば大学レベルの内容を勉強することになるかもしれません。 自分の学年を越えて学習することがときには必要となります。そうした方が結果的に苦労なく、楽しく勉強することが できます。覚えることは最小限に、後はそのつど考えればそれで良いのです。このように自分の学年を越えて 先取り学習をすることは非常に効果的です。

もちろん全教科先取り学習することは難しいかもしれません。 テストで高得点を目指すのは意味がないとは思いませんが、それに長い時間をかけよりは、 興味があるのならどんどん先に進んでも問題はないし、そういう科目こそが得意科目になります。 このように学習内容を先取りした方が得策な場合もあります。


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