ここでは理解とは何かを少し考えてみます。勉強をしていると分からない、理解できないことに遭遇します。 また、教科書の問題は解けるのにテストの問題が解けないという人が時にいますが、これも理解するということが 分かっていないからです。
それでは理解するとはどういう状態でしょうか。 例えば、ある問題の説明を誰かに聞いて分かったつもりになるのは、理解することとは違います。 多くの人は説明されただけでは理解できません。人に聞いた後、自分一人で考え、 他人の力を借りずに自分だけの力でその知識を理解し、吸収しなければなりません。 その結果、自分の力で問題が解けるようになります。
それでは問題が自分の力で解ければ、理解したことになるのでしょうか。 実際はそうではなく、理解していなくても手順が分かっていれば問題は解くことができます。 問題が解ける、即ち理解したということではありません。 しかしそれとは反対に、しっかりと理解していれば問題を解くことができます。 つまり手順を覚えることと、理解することは完全には一致しないということです。
このように理解するというのは案外難しいもので、テストで高得点取れたからと言って 本当に理解できているとは限りません。完全に理解した状態では、疑問点は一切無く、自分の言葉で説明でき、 それに対するイメージも完全にできており、実感を持ってそうだよなーと思えるはずです。 こうすれば解けると習ったから、取りあえずそうしている、というのでは理解できていません。
全てのことについて完全に理解することは難しいかもしれません。 しかしまず理解の第一段階として、最低限教科書などの参考になる資料を見ながらであれば、 問題が解けるようになる必要があります。 この状態まで理解できれば、後は覚えさえすればテスト問題も解けることになるからです。
ここから先、完全に理解するには長い時間がかかるかもしれません。 前節でも言いましたが、もしかしたら現在の知識だけでは完全に理解できないのかもしれません。 取りあえず先に進んでみて、将来あるとき振り返ってみたら理解できているということも良くあります。 一つのことをじっくりと考えることも必要ですが、とりあえずできるようになったら完全に理解できていなくても 先に進んでいくうちに自然と理解できるだろうと、楽観的に考えることも必要かもしれません。 こればかりは個人差にもよるので、個々人がしっかりと理解するとはどういうことかを知り、 先に進むべきか、立ち止まってより深く理解するか判断していくしかありません。