前節では、自分の目標に合わせて自分の中の価値観や基準を変化させていくことが重要であり、その基準を どのように持てば良いか幾つか具体的な例を挙げました。もちろんそれらはほんの一例であり、 誰にでも適用できるものではありません。人それぞれ性格や目標が異なるので、自分にあった基準を見つける必要があります。 そのためにはまず自分がどういう性格であるか、またどのような人間になりたいか理想像を思い描く必要があります。 自分がどんな人間であるか本当に分かれば、自分の感情を上手く操り、目標達成に向けて進んでいくことができます。 まずは己を知ることが第一歩となります。
それでは筆者の性格を事例に具体的にみていきます。 まずは簡単に性格を挙げておくと、努力ができない、楽しくないことはできない、自分からなかなか勉強できない という何とも情けないものです。努力できない、楽しくないことはしないということは日常的に学校の宿題以上の勉強はできません。 この性格を抜本的に変えることは難しいです。
あまり勉強に向く性格ではありませんが対策は立てることができます。 テストを例に挙げてみます。テストは多くの人にとって嫌なものだと思います。 筆者の場合は日常的に勉強しないのだから、テスト期間中だけは頑張るしかありません。 日頃は好きなことをやって遊んでいるので、せめてテスト期間中ぐらいはしなければなりません。 また自分からなかなか勉強することがないので、強制的に受けさせられるテストは貴重な勉強時間です。 自分の性格上、すぐに楽な方向に流れていくのでテストの強制力を利用して、自分を追い込めるだけ追い込んでいきます。
このように自分の性格を知り、それを上手く扱っていけばテストを受けることは、 面倒で嫌なことではありますが、受け入れられないものではありません。 そして対処不可能なものでもありません。 むしろ自分の性格を考えると、テストのような試練を課してくれた方が自分の成長に取ってはプラスであると さえ思えます。
またテスト以外にも、日常的に学校の勉強ができるような性格ではないので、自分の興味のままに好きな本を読んだり していきます。学校の勉強を直接するよりは、勉強にちょっと関係ありそうな楽しいことを探して、それをします。 この方法は時間がかかりますが、何もしないよりは役に立ちます。 自分の性格を知り、学校の勉強では駄目だと思えば、違う方法を選ぶことができます。 そして違う方法で得た知識や能力を応用すれば、結果的に学校の勉強に対応できるようになります。
昔々、孫子という人が書いた兵法書に、敵に勝つためには、敵を知り己を知れることであると書かれていたそうです。 本書においては敵を知るというのは勉強とは何であるかを知ることです。 そして己を知るということは、自分がどういう性格でどのような人間であるか。短所は何か、長所は何かを知ることです。 もっと深いところまで自分のことを考えることが必要です。