中学校では勉強の対極に部活動が挙げられることがあります。多くの場合は部活動は勉強の妨げに なると見られています。これを積極的に否定することはしませんが、部活動を勉強に応用することは可能です。 4.3節では勉強の意義について考えましたが、そこで勉強というのは複数の要素から成り立っていることが 分かりました。例えば勉強においてもスポーツ的な要素がいくつもあります。 また4.4節の図2に示したような問題解決能力は部活をする上でも必要な能力で、 部活を通してその能力を鍛えることもできます。 このように勉強にもスポーツ的な要素が必要であり、例えば運動部で一生懸命頑張り、そこから得たことを利用できる はずです。
勉強に限らず運動でも、目標を達成するためにはやはり戦略が必要です。 何も考えずに、ただ漠然と適当にやっていても欲しい結果は得られないでしょう。 やはり勝つためには何らかの工夫が必要です。それはどのような部活に所属していても同じことです。 そして勝つためには技術だけでなく、精神的な強さも必要です。 それは勉強にも言えることで、そのまま応用が可能です。 せっかく部活動を頑張るのだから、それを勉強に応用しない手はありません。
また運動部に所属していても、勝つためにやらない、ただ楽しめれば良いという人もいるかもしれません。 例えそうであっても体を動かすと、脳が効率良く働き、疲れにくくなるという研究成果もあり、体を動かすことは 勉強の妨げになることではないようです。それに運動をすることはストレス解消にもなるので勉強をする助けになることは 間違いないはずです。
また文化部ではより直接的に勉強に応用できるはずです。音楽に関連する部であれば曲の中や演奏時の感情表現を通して、 国語と繋がるかもしれませんし、過去の音楽家を通して歴史や地理と繋がるかもしれません。 他にも外国の曲に触れるために外国語の発音を練習し、それが英語の勉強に活かせるかもしれません。
そして、これ以外の部活であっても、何をする場合でも必ず工夫や試行錯誤を伴います。 それを勉強に活かしていくことができれば、勉強も楽しくすることができるはずです。